大型店に流れる消費者を、地元小店舗に呼び戻すには(1)
〜進む中堅スーパー同士の合併〜


 昨年から流通業界の大再編が加速している。仕掛けているのはイオン、セブン&アイ・ホールディングス、ウォルマートの全国大手だ。イオンは2011年に中・四国に店舗展開するスーパー、マルナカグループを子会社化したのに続き、今年、ダイエーを子会社化した。セブン&アイ・ホールディングスも2011年に近畿日本鉄道子会社の食品スーパー、近商ストアに30%出資。ウォルマートは西友の立て直しにめどが付き、日本国内でのさらなる地歩固めのために地方スーパーの買収に乗り出している。

進む中堅スーパー同士の合併

 こうした動きに大きな影響を受けているのが地方の中堅スーパーだ。大手がどんどん彼らの市場に侵食してくるものだから、中堅スーパーは価格面でも商品の品ぞろえでも、さらには地域密着という彼らが最も得意にしていた分野でも苦しくなっている。
 彼らに残されているのは
1.苦しくても歯を食いしばり、なんとか現状維持に努める
2.大手の傘下に入る
3.中堅同士の合併・提携で体力を付ける(体力の維持に努める)
 ぐらいしかない。
 ただし、いずれの選択をするにしても体力が残っているうちで、体力(企業価値)がなくなってからでは、どの選択もできなくなる。
 マルナカグループがイオンの傘下に入ったのも、まだ体力があるうちにと考えたからだが、中堅スーパー同士の合併・提携も増えている。
 この9月4日、福岡県内を中心に展開する西鉄ストア(西日本鉄道グループ)とスーパーのマルキョウが資本・業務提携を発表したのもその一つで、今後こうした動きは全国で増えていくだろう。

 問題はこうした動きが消費者のためになっているのかということと、「3ちゃん+1経営」的な小店舗とその集合体としての商店街に生き残れる余地があるのかどうかということだ。
 とんでもない。我々が大手と、あるいは中堅同士で合併・提携するのはひとえに消費者のことを考えているからにほかならない。店が潰れれば消費者に迷惑をかけることになる。合併・提携すれば共同仕入れで仕入れコストを下げることができる。結果、販売価格の値下げ、あるいは販売価格を据え置くことができるわけで、消費者のためになるし、それを考えているからこその合併・提携である。
 業界関係者からはこうした反論が飛んでくるに違いない。
いちいちごもっともである。もちろん、そういう側面もあるし、そういうことを真面目に考えている企業もあるだろう。
 しかし、敢えて異を唱えさせてもらえば、合併・提携は相手があること。スタート時は純粋な気持ちからでも、同一地域に競合店舗があれば経営の効率化のためにどちらかの店舗を閉鎖をすることになる。そこに情実が入り込む余地はない。もちろん店舗の閉鎖だけでなく、新規店舗のオープンもあるだろうが、それは全体で見た場合のことで、店舗が閉鎖されたエリアではマイナス1なのは間違いない。経営効率が優先で、エリア内消費者のことは二の次、消費者が置き去りにされたのは紛れもない事実だ。この傾向はとりわけ全国大手流通業者に強い。

                                                (2)に続く


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